スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明けを見に行きたいさんからの質問。
「朝比奈さん、はじめまして。今度、私はスターウォーズ/スカイウォーカーの夜明けを見に行こうと思っています。実はまだスターウォーズ/最後のジェダイを見ていません。ネットで評価を見たのですが駄作なんでしょうか? 映画好き歴42年の朝比奈さん、教えてください」
スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明けを見に行きたいさん、最後のジェダイは傑作ですよ!
ご安心ください!
2019年12月19日朝7時、あらためまして映画好き歴42年の中年ブロガー、朝比奈宗平です。
スターウォーズ/最後のジェダイほど賛否が分かれる映画って、なかなかありませんよね?
映画公開後から今日までネットを中心に最後のジェダイが傑作か駄作か議論されてきました。
朝日奈は先述のとおり傑作だと思います。
そのような訳で今回は「スターウォーズ/最後のジェダイは傑作であって駄作ではない」と題しまして、その理由を説明しましょう。
スターウォーズ/最後のジェダイは傑作であって駄作ではない理由
スターウォーズ/最後のジェダイは上映時間をキッチリ三幕に分けられたシンプル(しかし、かなりの技量がいる)な大枠ですが、その内容(サブプロット)はかなり複雑になっています。
そのため小説家や脚本家、もしくはよほどの映画好きでない限り、作品を何度も見ないと、作品の内容や作り手の意図が分かりません。
つまり、スターウォーズ/最後のジェダイ全体の構造が分かると本作品が傑作だと判断できます。
しかし、構造が分からないと全く本作品の良さが分かりません。
おそらく作品の構造が分からないと、ポーとホルドーの衝突、フィンとローズの命がけの作戦の意味、ペイジの死の意味、その他もろもろの意味がサッパリ分からないでしょうね。
このように最後のジェダイは傑作なのですが、その反面とても難しい構造をした映画なのです。
それでは、スターウォーズ/最後のジェダイは傑作であって駄作ではない理由を掘り下げて説明しましょう。
ただし、現在上映中の映画との兼ね合いもありますので、傑作である一番の理由の説明を省略します。
あしからずご了承ください。
- 三幕構成が正確である
- 主要人物それぞれの成長を描いている
- 今シリーズの重大な役割を果たしている(7と9を繋ぐバトン)
- サブタイトルどおりルークの物語を終わらせている
- すべてのことが計算されている
三幕構成が正確である
スターウォーズ/最後のジェダイは三幕構成が正確です。
通常、三幕構成の第一幕は全体の4分の1、第二幕は全体の2分の1、第三幕は全体の4分の1に分けられます。
この三幕の分け方が正確であるほど作品のテンポをよくし、見る側は退屈したりストレスを感じたりすることはありません。
そして、最後のジェダイの上映時間152分に対し第一幕は38分、第二幕は76分、第三幕は38分ぴったりになっています。
つまり最後のジェダイは三幕構成の幕割りが正確であるため、テンポよく物語が進み最後まで面白く見ることができるのです。
簡単そうに見える幕割りですが、けっこう幕割りが上手くできていない作品は多くあります。
それをこなしている点において最後のジェダイは傑作なのです。
主要人物それぞれの成長を描いている
主要人物であるレイ、ポー、フィン、カイロレンの成長(心の変化)がきちんと描かれています。
ネット上にはレイの成長はないという意見がたくさんありました。
確かにフォースの使い方以外に大きな変化はないように思うかもしれませんね。
しかしレイの成長はないように思えますが、実はきちんと描かれています。
ネタバレになるので、レイの何が変化したのか明言できません。
しかし、スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明けの伏線になるように、かつ本作の意図にそってレイの成長は描かれています。
上記の理由からレイの成長は、あえて目立たないようにされているのではないしょうか?
物語の構成上、シリーズ二作めで主人公であるレイの成長を描き切ってはいけません。
レイの成長した姿はシリーズ三作めで描かれるのが、物語の構成上あたり前なのです。
当然これはポー、フィン、カイロレンにも言えます。
そのため、シリーズ二作めでは成長の過程が描かれているのであって、成長した姿が描かれるのではありません。
例えばクライマックスにおけるポーの判断も成長した姿として描かれたのではなく、三作めで描かれる成長した姿の伏線なのです(これ以上の成長がなかったらごめんなさい)。
きちんと主要人物の成長を描いていることも最後のジェダイが傑作である理由と言えるでしょう。
今シリーズの重大な役割を果たしている(7と9を繋ぐバトン)
最後のジェダイはシリーズ2作めとして、7と9を繋ぐという今シリーズの重大な役割を果たしています。
それはミッドポイントでシリーズ全体の物語を転換させたことです。
ちなみにミッドポイントとは第二幕の真ん中のこと。
このミッドポイントを境に7と8の前半、8の後半と9の物語の転換がはっきりと分かるように描かれています。
しかし、どのように物語が転換されたのかは名言を控えさせていただきます。
なぜなら明言するとネタバレになりますし、スカイウォーカーの夜明けで描かれるシリーズの結末を容易に想像できるようになるからです。
そのため、ここでは名言を避けさせていただきますが、ご容赦ください。
本題に戻りますが、ミッドポイントを境に物語を転換できていない作品は駄作が多く映画評論家にもいい評価を得られません。
そのことを考慮すると、ミッドポイントを境に物語を転換させて、かつ映画評論家にいい評価を得ている本作は傑作なのです。
サブタイトルどおりルークの物語を終わらせている
本シリーズの目的の一つでもあるルークの物語をサブタイトルどおり終わらせています。
しかも物語の構成を上手く利用して。
これはスターウオーズ/最後のジェダイが公開される以前に予想していたことですが、こうも鮮やかに行われると清々しいですね。
スターウオーズのファンには辛いかもしれませんが(朝比奈も辛かったです。なにせ3歳からのファンですからね)。
しかし、そうすることでクライマックスであるスカイウォーカーの夜明けをより面白くする要素となりました。
そして、スカイウォーカー家やジェダイに頼らないという次のシリーズにスムーズに移行できるようにもなっています。
これに関しても見事としか言いようがありません。
すべてのことが計算されている
最後のジェダイは、すべてのことが計算されています。
三幕構成、脚本の内容、前作と次回作の繋げ方、次シリーズへの移行、そして世間の賛否までも(どうやらライアン監督は批判に耐えられなかったようですが)。
これほど計算しつくされた映画を朝比奈は見たことがありません。
もしかすると未だ見ていないだけなのかもしれませんが。
最後のジェダイの根幹に基づいて、冒頭から最後まで何もかもが、ち密に計算されています。
このことに気づいたとき、本作品に対するあなたの悪い評価も変わるかもしれません。
まとめ
スターウオーズ/最後のジェダイは映画史上に残る傑作です。
その理由は下記のとおり。
- 三幕構成が正確である
- 主要人物それぞれの成長を描いている
- 今シリーズの重大な役割を果たしている(7と9を繋ぐバトン)
- サブタイトルどおりルークの物語を終わらせている
- すべてのことが計算されている
また最後のジェダイが傑作であることは、スターウオーズの生みの親であるジョージ・ルーカスの「見事な出来だ」という言葉がすべてを物語っているのではないでしょうか?
以上で「屍人荘の殺人の映画を見た一番の感想は「スターウォーズ/最後のジェダイは傑作であって駄作ではない」です」を終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
バイバイ。
※今回の記事に登場する質問者は実在する人物と一切関係ありません。
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朝比奈です。
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