こちらの記事は、そのような方に対して書いています。
ごきげんいかがですか?
映画好き歴42年の朝比奈宗平です。
よろしくお願いします!
今回はジャイアンファンには堪らないドラえもんの映画を感想をかねて紹介しましょう。
- 映画「ドラえもん のび太の大魔境」のあらすじ
- 映画「ドラえもん のび太の大魔境」はどんな映画?
- のび太の大魔境の感想はサブプロットがお見事!
- 恒例のリメイク版「新のび太の大魔境」と比較
- まとめ
- あとがき
映画「ドラえもん のび太の大魔境」のあらすじ
春休み。
ジャイアンとスネ夫に「秘境や魔境を見つけて大冒険をしたい」と言われたのび太は、ドラえもんに相談します。
その一方で、のび太は野良犬に懐かれ……。
映画「ドラえもん のび太の大魔境」はどんな映画?
映画「ドラえもん のび太の大魔境」は1982年3月13日に公開されたシリーズ第3弾の作品です。
ちなみに本作の原作は藤子・F・不二雄先生によって執筆され、月刊コロコロコミック1981年9月号から1982年2月号に掲載されました。
のび太の大魔境が探検ものになった理由
ところで、のび太の大魔境がアフリカの秘境を探検する物語なのかご存知でしょうか?
のび太の大魔境がコロコロコミックで連載されていた頃は、水曜スペシャルというテレビ番組で「川口浩探検隊シリーズ」が放送されていました。
川口浩探検隊シリーズは当時の子どもたちに大人気だったのです。
よく朝比奈も川口浩探検隊シリーズを見ていましたっけ。
たぶん、のび太の大魔境は川口浩探検隊シリーズをモチーフにしているのではないのでしょうか?
藤子・F・不二雄先生は、その時々に流行したものや時事ネタを漫画に取り入れていました。
例えば「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」では米ソの冷戦をモチーフにしていますし、のび太の大魔境の原作でも出木杉くんが「アメリカとソ連が人工衛星を打ち上げまくってる」と話をしています。
このように藤子・F・不二雄先生が、その時々に流行したものや時事ネタを漫画に取り入れることから考えても、川口浩探検隊シリーズを映画のモチーフにしたのは間違いないでしょうね。
のび太の大魔境はスターウォーズと同じテーマだったりする
先述のとおり、のび太の大魔境のモチーフは川口浩探検隊シリーズですが、作品のテーマは「再生」です。
- 野良犬に成り下がったペコがバウワンコ王国の王子クンタックに戻る話
- ダブランダー大臣に支配されたバウワンコ王国を取り戻す話
この再生というテーマを聞いて「おや?」と思われた方は、大の映画ファンだと思います。
この再生というテーマですが、実はスターウォーズシリーズと同じなのです。
のび太の大魔境が制作された1981年から1982年は、スターウォーズ旧三部作が次々と公開されていた時期と同じでした。
流行や時事ネタに敏感な藤子・F・不二雄先生がスターウォーズを参考にしたというのは想像に難くありません。
また大のSF好きな藤子・F・不二雄先生です。
実はスターウォーズをモチーフにした短編やスターウォーズのパロディを描いています。
もしもスターウォーズの再生について詳細をお知りになりたいなら、お手数ですが「」をお読みください。
のび太の大魔境の感想はサブプロットがお見事!
のび太の大魔境の感想は「サブプロットがお見事」です!
この一言につきます。
のび太の大魔境のサブプロットは下記のとおりです。
- 野獣から逃げ回ったジャイアンが危機に立ち向かう
- 自らの失敗で仲間を危険な目に合わせて失ったジャイアンが自信を取り戻す
- 意固地になって孤立したジャイアンが仲間と和解する
- 失った探検隊の隊長の座と仲間の信頼を取り戻すジャイアン
このジャイアンの様子と先述のペコとバウワンコ王国の様子がリンクしています。
しかもただリンクしているだけではありません!
ジャイアンが元の状態に戻る過程が、メインプロットに深く関係しているんですよね。
サブプロットの解決手段がメインプロットに関係しているというのは、映画や小説では当たり前のことなのですが、藤本先生の鮮やかさには驚かされました。
もちろんそれに朝比奈が気づいたのは、大人になってからの話ですが。
恒例のリメイク版「新のび太の大魔境」と比較
新のび太の大魔境は、ほとんど脚本の変更がないので旧のび太の大魔境をきれいな映像で見ている感じがして良いですね。
ただ気になる点が二つ。
- クンタック王子の剣の稽古を諌めるび太のシーン
- 声優
クンタック王子の剣の稽古を諌めるび太のシーン
クンタック王子の剣の稽古のシーンは、メインプロットとサブプロットの関係で考えると、のび太ではなくジャイアンの方が適役ですよね。
これは、クンタック王子とのび太の友情を深めるために用意したシーンだと思います。
しかし、それよりも王子とジャイアンのシーンにした方がクライマックスでジャイアンが〇〇する行動に説得力が増すと思うんですよね。
大長編の主人公はのび太です。
ところが主役はそれぞれの作品で違い、ゲストキャラクターや他のメンバーになることがあります(主役と主人公の違いはこちらで確認ください)。
のび太の大魔境であれば主役は、ジャイアンでのび太ではありません。
そのため、劇中でジャイアンの苦悩し成長する姿が描かれているのです。
それなのにクンタック王子とのび太のシーンではおかしいでしょう?
声優
個人的には、タレントや俳優を起用していない旧のび太の大魔境が好きです。
ただ小栗旬さんは良いと思いました。
しかしながら、ドラえもんの映画は有名なタレントを声優を起用しなくても集客できるコンテンツです。
中身だけで勝負しても良いのではないでしょうか?
たぶん有名タレントを起用しなくても興行収入は変わらないと思いますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
のび太の大魔境はクンタック王子の王国奪還とジャイアンの自信を取り戻す様子がリンクした作品です。
そのためジャイアンに注目すると、のび太の大魔境の面白さが倍増します。
以上で「映画「ドラえもん のび太の大魔境」はジャイアンに注目すると面白さ倍増!」を終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あとがき
あらためまして朝比奈宗平です。
記事の文脈上、本文でお伝えできなかった感想を少し。
劇中でダブランダー大臣が、禁断の古代兵器を用いての外界侵略をすすめています。
この様子を見て、なんとなく第二次世界大戦の日本に似ていると思いました。
のび太の大魔境が公開された時代は、アメリカと旧ソ連の冷戦真っ只中。
劇中(あれ原作だけかしら?)において、それを匂わせる出木杉くんのセリフがあります。
幸いなことに大きな戦争に発展することはありませんでした。
しかし、戦争経験者の方は当時の状況をひやひやしていたことでしょう。
そして脚本の藤子・F・不二雄先生も戦争経験者。
そのため、アメリカと旧ソ連の冷戦に何らかの気持ちを抱いていたと察します。
そのような想いは、次回作の「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」で確認することができますが、実は「ドラえもん のび太の大魔境」にも先生の考えは反映されていることに気づきました。
それがダブランダー大臣が、禁断の古代兵器を用いての外界侵略です。
もしかすると藤子・F・不二雄先生は、再び日本が軍備を保有し戦争に向かっていくことを懸念されていたのではないでしょうか?
それをブランダー大臣が、禁断の古代兵器を用いての外界侵略に例えて当時の子どもや大人たちに訴えかけていたのでしょう。
もしも朝比奈の想像どおりであれば、そんな素晴らしい脚本家の藤子・F・不二雄先生がいないのは残念でしかたありません。
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