- 「映画『ドラえもん のび太の恐竜』がどんな映画か知りたい」
- 「映画『ドラえもん のび太の恐竜』のあらすじを知りたい」
- 「映画『ドラえもん のび太の恐竜』の感想と評価は?」
こちらの記事は、そのような方に対して書いています。
ごきげんいかがですか?
映画好き歴42年の朝比奈宗平です。
今回は中年世代にはたまらないアニメーション映画を紹介しましょう。
それは映画「ドラえもん のび太の恐竜」です。
「ドラえもん のび太の恐竜」のあらすじ
ドラえもんとのび太は、育てたフタバスズキリュウのピー助を白亜紀に連れていきます。
ところが、二人がピー助を置いてきたのは北アメリカでした。
それを知ったドラえもんとのび太、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンはピー助の元へ。
一行は無事にピー助を保護しますが、タイムマシンが故障し出発地点までタイムマシンを運ばないと現代に帰れなくなってしまいます。
北アメリカから日本まで旅を余儀なくされたドラえもんたち一行。
果たしてドラえもんたちは、ピー助を日本の海に連れて行けるのでしょうか?
そして、自分たちも現代に戻ることはできるのでしょうか?
のび太の恐竜はどんな映画?
のび太の恐竜は、1975年9月5日の増刊少年サンデーに掲載された30ページの短編でしたが、大幅な加筆修正を行い1979年12月発売のコロコロコミック1月号から3月号まで長編作品として連載されました。
そして、この長編が後に大長編ドラえもんと呼ばれる人気シリーズの第1作となったのです。
ところが、1979年に小学館とシンエイ動画の楠部三吉郎氏に映画化の話を持ち掛けられたとき、藤本先生は乗り気ではなく断りました。
それを楠部三吉郎氏が短編「のび太の恐竜」の続きを描くことを提案して映画化の企画は進むことになったのですが、もしも楠部三吉郎氏の提案がなければ、41年も続く人気シリーズである大長編ドラえもんは生まれなかったかもしれませんね。
実は大人が見ても楽しめる旧のび太の恐竜
ところで映画「ドラえもん のび太の恐竜」は、あらすじをお読みいただくと分かりますがロードムービーです。
白亜紀の北アメリカから日本に行く道中で、ドラえもん一行は様々な出来事に遭遇します。
物語の構成は初めての長編とは思えない出来栄えです。
最初はいやいやだったのかもしれませんが、やはりプロ!
初めての長編なのに手の込んだこだわりは映画のあらゆるシーンに詰め込まれています。
藤本先生は脚本家としても優れた才能の持ち主なのかもしれません。
そして、モチーフにした作品の良いところを巧みに使われています(もちろんアレンジしてね)。
そのため旧のび太の恐竜は朝比奈の父親と同じ、もしくは上の年齢層の方、そして映画ファンの方でも十分に楽しめる作品なのです。
野生のエルザ
- ピー助を育てる話
- ピー助との別れ
駅馬車
- 黒マスクたちの帽子やアクセサリー、武器
- 時間旅行中に黒マスクに襲われるシーン
- ねんどバギーを追いかけるシーン
- いかだで川を下るシーン
- タイムパトロールが駆けつけるシーン
恐竜100万年
- ピー助と雌のフタバスズキリュウのシーン
旧のび太の恐竜とのび太の恐竜2006を比較
旧のび太の恐竜はリメイクされ、2006年に「ドラえもん のび太の恐竜20006」として公開されました。
リメイクされた際、旧のび太の恐竜にはない変更点がいくつか加えられています。
そのため「のび太の恐竜2006」は、ドラえもんのファンの方には煙たがられる結果となったようです。
変更点については下記のとおり。
リメイクに伴う改変ポイントが幾つかある。また原作に無い新たな展開については、監督の渡辺歩は「新しく盛りこんだというより、原作に潜んでいる(と想像される)ものを改めて描いた」と述べている[要出典]。ピー助とのび太の関係は、ピー助が彼のために行動するシーンが多くなり、相互の絆がより強調されるようになった。
特に、終盤からの展開は原作および旧作と大きく異なる。敵の基地での最後の戦いが「ティラノサウルスを味方に付けて勝利」から、そこからさらに「スピノサウルスと戦う」ことになる。また、敵を倒した後にタイムパトロールの巡視船タイムマリンによって日本近海に送迎してもらう展開が無くなり、自分たちの足で日本までたどり着く。大人に助けてもらうという展開から、自分たちで最後までがんばるという展開へと変更がなされる。
1975年の漫画、1980年の大長編・映画から時代を経たリメイクとなり、科学的リアリティがアップデートされている。2006年における最新の学説を取り入れ、白亜紀後期の北米という舞台やシーンにより適した恐竜や描写に差し替えられている。竜脚類はブロントサウルスからアラモサウルスに、翼竜はプテラノドンからケツァルコアトルスに変更。ティラノサウルスと竜脚類の戦いの様子は、一撃の機会をうかがうティラノサウルスと隙を見せまいとするアラモサウルスの、いわば「にらみ合い」として描写されている。いるはずのないスピノサウルスを使うドルマンスタインは、悪役である。
フタバスズキリュウ(ピー助)は、卵から生まれる・水陸両棲と設定されている。21世紀の学術では胎生・陸上を歩けないとされているが、これらはピー助の根幹に関わる設定であり改変が不可能である。
引用元:ウィキペディア「ドラえもん のび太の恐竜2006」
中立的な立場で新旧の作品を比較してみました。
その結果、やはり旧のび太の恐竜が映画作品としては上だと考えます。
もちろん興行収入は「のび太の恐竜2006」の方が上なのすが、そもそも両者の上映国数が違うので比較材料になりません。
そのため興行収入では比較しませんでした。
あくまでも映画自体で比較するために、着目したのが絵と音楽、脚本です。
絵のクオリティで言えば、これまた「のび太の恐竜2006」の方が上です(一部手雑な部分もありますが概ね良いクオリティ)。
しかし、旧のび太の恐竜ほどのおどろおどろしさが「のび太の恐竜2006」にはありません。
藤本先生は大長編では、その作品に応じて怖さを表現されていました。
もちろん旧のび太の恐竜でも行われています。
ところが「のび太の恐竜2006」にはなく、本来ならば恐ろしい白亜紀に来ているという雰囲気がありません。
まるで遊園地に来ているような感じです。
その点、旧のび太の恐竜では絵とBGMの暗さで表現しています。
次に脚本ですが、やはり旧のび太の恐竜は原作者である藤本先生が行われていますので、こちらに一票ですね。
もちろん「のび太の恐竜2006」も悪くないのですが、旧のび太の恐竜と同じものを見せられないという気負いがあったのでしょう。
どうやら、それが裏目に出たようですね。
余計な枝葉をついてしまい、藤本先生が伝えたかった内容(巣立ち)が薄れていますし、何より原作で大事な描写を省き設定を無視しています(しかし、ピー助の描写は旧のび太の恐竜より上です)。
これは、とても残念で仕方ありません。
省かれた描写や無視された設定
- 旅行の準備シーン
- のび太の机のある場所に戻らないといけないという説明
- ジャイアンが「おれは歩く! のび太と一緒にな!」宣言
- タケコプターの設定
つまり、絵と音楽によって脚本の良さを伝えている旧のび太の恐竜の方が「のび太の恐竜2006」よりも素晴らしいと朝比奈は考えます。
まとめ
絵の古さがあるとは言え、原作者である藤本先生が直接脚本を手掛けられた旧のび太の恐竜は、素晴らしい映画です。
また絵と音楽、脚本が三位一体となって映画の世界観を創り出しています。
2020年春に「ドラえもん のび太の新恐竜」が公開される前にこちらの作品をご覧になられてはいかがでしょうか?
以上で「映画『ドラえもん のび太の恐竜』の紹介」を終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。